はやく許してくれ

生き恥に心をすり減らした凡愚のチラ裏

越冬

今年の冬は暖かいと、私より数年早くこの地で働く職場の人々が口を揃えて言う。明日の最高気温4℃で、最低気温は2℃だった。

日本を離れて5か月が経過した。海外に行く前、私は多くの人と「お別れ会」をする機会を頂いた。陰湿な田舎を抜け出して上京して約4年半ほどの間にできた交流。いま思えば一瞬で過ぎ去ったようだけど、想像以上に多くの人と出会っては別れてを繰り返していたらしい。心が騒がしくなる日々は過去で、最近はずっとフラットな生活が馴染んでいる。

馴染んでいると言い聞かせながら、酒で自我を薄めて飲み下し、過ぎる時間に申し訳なくなる日々でしかない。免税で買える酒も切れつつあるので、無為な日々がどれほど続くか分からないけれど、こうして私が主張せず密やかに暮らすことで、自身の想像にすら及ばない人々の幸福を侵害しないことはできている。

どうか東京でお会いした、多くの心休まらない方々が、休まれるような年になることを祈願し、新年のご挨拶とさせていただきます。

明けましておめでとうございます。